2010年8月25日水曜日

告白

熊太郎は空に向かい、涙を流して言った。「すんません。全部嘘でした」そういうと熊太郎は右足に力を入れ、胸に銃口をあて、左足指を引き金にかけ、「南無阿弥陀仏」と唱えた。しかし熊太郎は引き金を引かなかった。暫くの間、熊太郎はそのままじっとしていたが、やがて引き金から足を離して呟いた。「まだ、ほんまのこと言うてへん気がする」熊太郎は思った。俺はこの期に及んでまだ嘘を言っている。というのは頭のどこかで悔悟して、本当のことさえ言って死ねば魂は救われるかも知れないと期待している心があるからだ。

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