2010年5月30日日曜日

天使に見捨てられた夜

私は意気消沈して焼香の列に戻った。もうすでに、数えるほどしか人が残っておらず、寂しくなっていた。家の中に入り、渡辺の貧相な棺の前で焼香していると、多和田と目が合った。その厳しい目つきで、彼もまた私の偽証を知っているのだと気がついた。最近、多和田が現実的で保守的すぎると、私は時々腹を立てていたが、それは私の思い上がりだったのだと恥ずかしく思った。なぜなら、彼はワタシのような失敗は絶対にしないだろうから。

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