2010年1月30日土曜日

水の眠り 灰の夢

あなたは遅れて入って来た時、ここでは誰も信用しないぞ、という顔をしていらした。後藤さんは盟友のはずなのに、頼るという顔でもない。大概の人間は不安な時は誰か頼る人間を探そうとする。が、あなたは最初から一人でやるつもりだった。なかなかだ、と私は思ったのです。

2010年1月25日月曜日

水の眠り 灰の夢

「何?何がおっしゃりたいの」とこの瞬間も早重は勘を働かせて村野の発言の真意を考えている事だろう。「いいえ。僕の言いたいのはですね。僕の気分にまで、あなたの勘を働かせる必要はないということです」

2010年1月20日水曜日

顔に降りかかる雨

「なんにもしないで食えるなんて、いい身分ですね。そういう生活は金がかかるでしょう」「いいえ。私は自分をコントロールできますから、ほとんどかかりません」

2010年1月15日金曜日

顔に降りかかる雨

夜のドライブが好き。なんだか自分を問われる気がする。おまえは何者だ、そしてどこへ行くのだ、ってね。それを考えながら運転していると、闇の中を進むことが、まるで時間を切り裂いて行進してるような気分になってきて、だんだん元気になるの

2010年1月10日日曜日

顔に降りかかる雨

もしかすると、私と成瀬は似たもの同士なのかも知れない。他人に期待せず、信用もできないくせに、何かを夢見ている。そして、いつか誰からも届かない遠い地平に行ってしまう。「なんて孤独なんでしょう。」

2010年1月6日水曜日

年明けから五日まで、元日を除く毎日、鳥飼は布美子の病室を訪問した。事件の話には一切触れなかった。彼女に質問することもできるだけ避け、自分の話、自分の家族の話ばかりを聞かせ、楽しい話題を選び、時には冗談もまじえ、警戒心を引き起こすような、もってまわった言い回しも避けるように努めた。