2009年11月30日月曜日

嫌われ松子の一生

カチッ。何かのスイッチが入ったような音が頭の奥で聞こえた。ロッドを巻く真似をしてみた。シザーを操る真似をして見た。ピンパーマ。ストロークカット。レイヤーをつけ、最後はフィンガーブロー。手を使い、思いつく限りの技術を再現していく。夢中になった。指がよろこんでいた。この十数年間、滞っていた血流が、ふたたび動き始める。意識が鮮明になってくる。封印され、埃を被っていた財産が、小躍りしながら飛び出てくる。できる。憶えている。我に返ると二時間が過ぎていた。

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