2009年11月25日水曜日

ゲルマニウムの夜―王国記

僕が宇川君を疎ましく思うことは、ときどき独り言をするような調子で口笛を吹くことだ。その音色が幸福そうで、得意そうなことに耐えられない。身の程知らずの小悧巧が小賢しさという音程を用いて口笛を吹き鳴らしているというところだろうか。とにかくそんな小さなことがひどく癇に障るのだ。

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